勉強開始

 最後の更新からおよそ1年経った。皆さんはどうお過ごしだろうか。私は学生と社会人のギャップに耐えながら、途中の繁忙期も乗り越えることができ、ホッとしている。

 

 いろいろあって、会計の勉強を再開しようという考えに至ったため、ここに報告しようと思う。

 

 平日は中々勉強できる時間を取ることはできないので、主に休日に少しずつ時間を取って進めていこうかと想定中。今後の簡単な予定は簿記検定1級→会計士試験とステップアップ方式で考えている。簿記1級と会計士試験の問題の方向性が違って、簿記1級にそこまで根を詰めなくてもいいのなら、飛ばす可能性はある。とりあえず、6月や11月の簿記検定を受験して、12月の短答試験を受けてみようと思う。

2年後期成績

 2年後期の成績が少し前に発表された。その結果を先に言うと修了するための単位数を確保することができたので、大学院生活のブログに関しては今回が最後になる。

 

国際財務報告基準論Ⅱ(優)

 この科目は前半で会計雑誌から会計業界がどのような基準を策定しようとしているか等を調べてグループで発表することが求められた。グループ毎に指定される雑誌は異なり私のグループが指定されたのは会計監査ジャーナル(1年分)だった。グループによって指定される雑誌に違いはあるものの、対象としている業界の動向は1つなので、グループによって発表内容に違いはほとんど見られなかった。この発表や後半の発表で参考にする資料は自習室の下の図書館にあるのだが、図書館に行った際にこの講義を履修していないのに雑誌を読んでいる1年生を見かけた。1年生(次年度の2年生)は自習室の利用率も高く、やはりレベルが高いと思う。

 後半は国際会計基準IFRS)を調べることが求められる。これに関しては自分でどの基準(科目)を発表したいのかを自由に選択して、個人による発表が求められる。私が選んだテーマは①超インフレ経済下における財務報告、②株式報酬、③リース会計であった。これらのIFRSにおける取扱いと日本基準との差異等を25分くらい発表することになる。他の受講者が選んだテーマは有形固定資産や無形資産、減損、投資不動産、投資不動産、従業員給付、農業、鉱物資源、財務諸表の表示であった。このほかにまだ選ばれなかったテーマがあるので、自由度はかなりあると思う。発表スタイルも結構自由度があり、IFRS基準の内容に重点を置く人や、日本基準との比較に重点を置く人、私なんかがそうだが計算例に重点を置く人と様々であった。最後に簡単なレポートが2つ要求される。全体的な分量は普通~やや重くらいだが、これから日本の基準はIFRSと収斂していくと考えているので、新基準を先取りするという意味において大変有意義な科目だと考えている。現実として、後半③番目のリースに関してはそろそろ新基準が発表されそうであり、②番目の株式報酬に関しては2021年11月29日の企業会計基準諮問会議で基準策定のプロジェクトに入れるように提案されている。

 

管理会計論Ⅱ(秀)

 正月明けに期末プレゼンがあった。内容は自由で私は中間プレゼンの続き(人事管理に関して)を発表した。先生からは内容が面白いとの評価を戴いたので、中間プレゼンと併せて発表点は良かったと思う。発表は1人15で、ディスカッサントは5分。発表時間が中間プレゼンと少し違うが、ディスカッサントの存在等全体の形式は中間プレゼンと同じだったので皆冷静に臨めたと思う。他の受講者は予算管理、管理会計と教育、マテリアルフローコスト会計について発表していた。この科目は発表以外に授業終わりの小課題やレポート課題が科される。授業終わりの小課題では答えが無い問いが投げかけられた。例えば○○(授業で取り扱ったテーマ)についてどのような効果や限界があると思うか?や、○○な状況に陥った時に社会人のあなたならどうするか?というものであった。

 このような課題を見ても分かるが、この科目は社会に出た後にどのように振舞うべきかという事に関してかなり意識づけが行われたものであった。先に書いたプレゼンでは、単に発表・質疑応答が行われて終了するだけでなく、全体の講評が行われた。そこでは発表がかなり上手な社会人出身の同期を念頭に置いて、発表の仕方が指導された。例えばスライドに力を入れて発表するよりも発表の中身に入れるべきだというもの。私は脳みそのRAM容量が少なく次に話す内容が出てこないので、スライドに詰め込んで話すのだが、やはりそのやり方は推奨されないようだった。

 期末レポートは、管理会計Ⅰと同様であったが、管理会計Ⅰとは異なる点が2つあった。1つ目は管理会計Ⅰでは習った内容に係ることを自由に記述するレポートが課されたが、これは期末プレゼンに置き換えられたこと。2つ目は管理会計Ⅰでは授業で習った内容について10問出されたが、今回は7問であったこと。したがって、レポートが2つから1つに減り、その1つも3割減少したため、管理会計Ⅰよりもボリュームは少なく、全体的な分量はやや軽~普通であった。しかし、他の科目の発表が後半に結構あったのと、内定先から提出しなければならない資料が届いたため、レポートの提出が期限ギリギリになってしまった。これは受講者全員がそうだったようで、最終の講義で先生から指導が入った。この点に関して後輩に助言をすると、Moodleは提出日まで何度も提出ファイルを修正できるので、課題が出された日からその課題に取り組み、途中経過の段階であっても提出しておいた方が良いと思う。その際にはファイル名や表題に(途中)等の文言を入れておいた方が良いだろう。そうすれば、仮に完成版の提出が遅れても部分点は貰えるし、早くから取り組んでいることのアピールになるし、先生の負担が分散されることにもつながる。その最終回で先生が仰っていたが、何のために大学院に来たのか?目の前の課題を(機械的に)こなすのに精一杯になっていないか?ということを胸に刻んでおきたい。

 全体的に双方向性があり、ためになる講評を聴け、社会人として身につけるべき知識や技能を修得できるこの科目はかなり良い科目だったと思う。しかし、この科目を開講している先生は来年度からイギリスに留学されるので、上記で書いたことはあてにならないことを明記しておく。

 

・企業法Ⅱ(秀)

 先生が提示する判例資料を読み、それに関して皆に発表するというもの。発表のあとに軽く質疑応答があり、それ以外は先生が周辺知識について話すというものであった。授業時間数が受講者の倍数でなかったことが関係して他の人よりも1回多く発表したから最高評価は固いと思っていたが実際その通りで安心した。分量はやや軽。

 

・会計や監査の事例研究(秀)

 上の企業法Ⅱの先生が担当する科目。監査の要点に関して具体的にどのようなことに注意して監査をすれば良いのかを修得する科目で、講義資料が読まれた後に、○○な場合はどうする?、このような時どう仕訳を切る?という質問がランダムに飛んでくる科目だった。私はこの質問に対してはほとんど答えられなかったが、最終回に行われた不正会計を行った企業の財務諸表を読み込むという内容に対して、授業後に先生に財務諸表のおかしいと思う部分を挙げると「確かに」というような反応が返ってきたのでこれが評価されたのかもしれない。分量は軽。

 企業法Ⅱとこの科目(と前年度の税務会計論Ⅳ)の先生は今年度で任期が切れるため、今後受ける人はこれまた上記で書いた内容は当てにならないことを明記しておく。

 

・監査論の事例研究(良)

 期末レポート発表では、ある会社の財務諸表等を見て、そこから具体的なリスクの評価や分析的手続き等を行うことが要求された。今回は特別誰が上手だったということはなく、総じて良かったと思う。私は具体性が足りなかったと思っている。今回は「レポートの発表」であり発表することが目的ではないため、管理会計の発表とは異なりスライドに具体性が求められていた。今期の成績でこの科目が最も悪かったが、これはレポート発表の出来というよりも、普段の授業での発言回数が少なかったことが原因だと思う。授業内で訊かれる内容は難しいものもあるがほとんどは標準的なものであるため、たくさん挙手して答えることもできるが、そうすると・・・と思い、その後は発言する意欲が湧かなかった。これは私のモチベーションの問題であって、成績評価はこれで当然だと思う。分量はやや軽。

 

会社法の特殊講義(秀)

 この科目は他大学である札幌学院大学の先生が会社法について教えてくれるというものであった。前半は会社法の基本的な知識をインプットすることに重点が置かれていた。たまに質問が飛んでくるくらいでほとんど教授が話していた。その際軽い雑談として、教授が以前官僚として勤めていた大蔵省での経験を聞くことができるのだが、そこでの苦労話が面白い。もし自分が当事者だったらと思うと冷や汗がでるが、とんでもなくブラックな労働環境で裏方としてこの国を支えてこられた先生に自然と敬礼してしまうレベルの内容だった(現在は若干改善されているらしい)。この先生も前期の企業法Ⅲの先生も官僚を経ているだけあって、この条文は自分が手掛けたということを仰る。ブラックな分だけやりがいを感じることができる素晴らしい職業だと思う。

 さて、評価であるが、普段の授業態度(出席や発言)と判例発表に均等に分かれる。授業態度の部分に違いがほとんど現れることはないだろうが、判例発表で結構分かれるだろう。というのも、ここでの判例発表は上で挙げた企業法Ⅱでの判例発表とは大きく異なるからだ。企業法Ⅱは何回も発表が求められる代わりに1回の内容にそこまで求められないが、こっちはたった1回しか発表が無いためにその1回にかなりの質と量が要求される。例えば、発表の分量であるが、企業法Ⅱは1回の授業で2人であり、先生も結構な時間をかけて話すが、この科目は1人で1回の授業のほとんどすべてを使って、発表と質疑応答を行う。この発表分量の差は、事前に提示された判例資料の中に学説が載っており、その学説をこっちでは追加することで解決される。しかし学説は学者の意見なので難解なものがあり、それを解読するのに時間を要した。また、質疑応答は学生よりも先生からの質問が厳しく(難しいという意味)、回答までに30秒くらい費やしたものもあった。質問内容は事前に配られた判例資料から分かるものが大半(他は自分が作成したスライドに書かれてある内容や言葉の意味)なので、これを十分に読んで覚えておく必要がある。私の発表は1番目だったからどれくらいのレベルの質問が飛んでくるのか分からなかったが、発表や質疑応答の時間が長いことから念のため十全な準備をしていた。それが功を奏して何とか乗り切ることができた。先生からの質問はさながら就職における面接試験の様相を呈しており、その雰囲気を感じ取った私は1問目から目の色を変えて本気で取り組んだ。その結果、発表と質疑応答が終わった後に先生からは、今までこの判例を発表した人の中でかなり良い出来だったとの評価を戴いた。

 この科目は受講者によって複数人で発表することがあり、今回は4チーム中2チームが2人でそれ以外が1人だった。私は他の講義の課題が迫っており、発表するにあたって他の人と調整する時間が取れないと思ったので、1人で発表することを選んだ。質疑のレベルが高いため、2人での発表を選択することをおすすめする。ただ、2年生で就職活動を行う会計士試験非受験生は1年生のうちにこの科目を履修して、模擬面接としてこの質疑に1人で挑むことをおすすめする。

 厳しいとか難しいとか書いたが、それは質疑の時間だけで、普段は優しく基本から教えてくれる(私は分からないことが多かったので、授業終わりに質問を結構したが、毎回丁寧に応じてくれた)ので、どのレベルにある人にもこの科目をおすすめする。この科目の全体的な分量はやや軽。

 

 これで大学院生活は終わった。この後社会人として働くことになるのだが、せっかくこの大学院を修了したので、会計士試験は受験しようと思う。今受けても落ちることが分かり切っており受験料の無駄なので今すぐは受けないが、数年後には受験しようと思う。会計士試験の勉強を始めたら、その内容や模試での出来をまたこのブログに書いていこうと思う。2年間ありがとうございました。

終わり

 すべての授業が終わった。これで何か不測の事態が起こらない限り、修了できる。各科目の感想は成績が発表されたらそれと共に書こうと思う。今期私は運の悪さとペース配分の間違いが災いして、終盤課題に追われることとなった。最終週は気がおかしくなりそうだった。この課題提出のスピードに関してはとある先生が授業内で言及なさったので、次回そこで少し詳しく書こうと思う。今回ここに綴るのは、吉見宏先生がお亡くなりになった件である。

 

 吉見先生と言えば、本大学院の学生が全員履修する会計職業倫理と、選択科目の公会計論を担当しており、在学生以上の期別においては担当が変わっていない限り、全員がお世話になった先生であろう。授業は双方向性が重視され、学生の自由な意見が飛び交い知的好奇心を掻き立てられる時間であった。その上、授業時間外の学生への負担は、難しくて筆がなかなか走らないものもあったが小レポートが3回のみ(会計職業倫理は他に僅かな予習と発表のための資料作成が必要)で、私自身は最高の科目だったと思っている。他の学生から特に不平不満が聞こえなかったことから概ね好評だったと窺われる。

 吉見先生は本大学院の教授業以外に、本学本部の理事兼副学長も務めておられた。そのため、上に挙げた吉見先生の授業は結構な頻度で授業日の変更があった。それほどまでに理事職が激務だったと思われる。それもそのはずで、吉見先生の理事としての所掌範囲は財務・広報・ガバナンス・地域連携であった。大学が行う事業や計画には毎度予算が付き纏うので、吉見先生の担当は言ってしまえば「全部」である。また、昨今のコロナ情勢により大学のBCPレベルの決定等で頻繁に会議があった。さらに、学外においてはJR北海道の社外監査役や学会の理事等数多くの役職(具体的には下記リンク先を参照)をお務めになっておられた。

 ネットを巡回していると先生の訃報が流れた時に、本学卒業者以外にLRT関係者も惜しんでいたのを見かけた。鉄道関連への造詣も深かった先生は札幌LRTの会で長年会長として札幌市電の在り方に関与されてこられたとか。そのようなオフ会的な会合で吉見先生と知り合って実務家教員として本学に来た先生もいる。

 こうして先生の活動を並べてみると、到底1人ではこなすことができない質と量だと思う。そのため活動量を減らすとすれば、この中で専念されるはずのものは理事職であろう。本学の理事の中には教員出身でない人もいるため、本来は本大学院の講義は受け持たなくても良いものだと考えられる。しかし、先生の選択は違った。

 一つには会計職業倫理と公会計論という難しい科目であったためだと思う。私は本大学院に入るまで会計職業倫理という必修科目の存在は知っていたが、科目名と必修ということが相まって最も望んで受けようと思わなかった科目だった。そう思っていた学生は私以外もいるはずである。制度上必修だからと消極的に受ける学生の姿勢を先生は崩す必要がある。公会計論は少々政治的な内容に踏み入るため、一貫して中立的に教育する難しさがある。だからこそ、吉見先生は吉田学校よろしく後継者が育つまで待ったのではないだろうか。吉見先生の後継者はいるが、まだお若い。これまで、学生の「負担」や吉見先生の「負担」の話をしてきたが、それこそ、後継者の「負担」を考慮した結果とも言える。

 ただやはり何と言っても、先生ご自身が学生に「教え続けたかったから」というのが大きいと思う。昨年私が受講した時、恰幅の良い健康的なお姿だったのを覚えている。しかし、昨年度に会計職業倫理を受け、今年度に公会計論を受講した同期は別人のようだったと言っていた。真偽を確かめるべくネットで調べると、確かにこの学生の言う通りで大分瘦せて印象が変わってしまっていた。療養中で衰弱していたのにもかかわらず、死の直前まで教壇に立ち、教育者であり続けたのだ。先生の逝去を耳にしたとき、そのような先生の生き様が格好良く思えたし、そのような先生の下で学べたことは誠に幸運だったとも思えた。が、それと同時にもう二度と会えない寂しさや虚無感もこみあげてきた。

 吉見先生が抜けた穴は大きく深い。だから大学当局もある先生の言葉を借りれば「混乱してい」た。今期受講者の成績評価の付け方や後任の選定等で。成績評価に関しては、授業中の発言メモがあるので、それが考慮されるとのことだった。残りの講義分の評価は発言する予定だったものを紙に書いて提出というものだったように記憶している(間違っているかも)。公会計論は、先生の説明を聞いてからそれをヒントにして問われたことに発言するという方法が採られていたから、先生の説明が無いのは少し厳しかったかと思う。一方で後任に関しては、裏は取れていないが上で挙げた後継者が担当することになったそうだ。そうであってもそうでなかったとしても、吉見先生の授業シラバスや授業資料等があるはずだから、先生のDNAは引き継がれていくものだと思われる。また、後任の先生におかれては、吉見先生は目指すべき対象ではあるが、吉見先生になる必要は無いので、ご自身のオリジナリティも交えて、それぞれが正しいそして楽しいと思える授業を展開してほしいと思う。

 最後になるが、吉見先生への感謝を次の言葉とこれからの行動で示すことをここに誓って〆る。

 吉見先生、ありがとうございました。

2年後期の中間終わり

 2年後期も残すところ半分で、一部科目において中間テスト的な課題が出た。今回はそのことについて書こうと思う。また、前記事で大学院入試の点数を事務室に訊くと書いたが、実際に尋ねると開示制度は無いとの回答だったことをここに報告しておく。

 

・監査論の事例研究

 監査論の事例研究(今期は会計実務事例研究Bという名前で開講)は、現金預金、受取手形、有価証券・・・と各項目毎の特徴や監査上の注意点を洗い出す科目である。これの中間発表は、無形固定資産について普段授業でやっている内容(特徴や監査で行うべきこと等)を1人で発表するというものであった。持ち時間は1人7分。発表時間は内容量に比して若干少ないため、飛ばし飛ばしで発表する人が多かった。私もそのうちの1人である。私の発表内容は無形固定資産に含まれないものもあったし、本来含めるべき情報を記載していないものもあり、評価は伸びなかったものと思われる。他の人と発表するべき内容が同じなので、私の番が回ってくる間に模範的なものが登場して、その後は若干落ち込みながら発表した。無形固定資産はITの分野も含むので、監査する際は専門家の利用を考慮するべきだという内容を発表資料作成時には考慮したが、発表時の資料ですっぽり抜け落ちていたことが悔やまれた。全体的な出来は、伝えるべき点を網羅しているという理由で、会計士試験に合格した学生が一番良かったと思う。

 

管理会計論Ⅱ

 管理会計論Ⅱでは、それまでに学んだ範囲に架かる内容のケースを自由に選んで発表・報告するというものであった。私はBSCの事例を発表した。ほとんどがBSCである中、原価企画について発表した者もいた。この発表はオンラインで行われたが、現役会計士の方が2名いらっしゃったという公開授業の様相を呈していた。また、発表だけでなく、発表直前にその発表に対する質問者が選定されるという少し変わった形式で行われた。これは事前に発表者と質問者が擦り合わせないようにするための措置であった。発表時間は1人10分で質疑応答が5分だった。それぞれの時間は適切で、質疑は2,3問ほどすると終了時間が来るというもので丁度よかった。もし質問者がネタ切れになった場合には、他の人に質問権を振っても良いというルールだったので、活用している人が多かったと思う。これは質問者が正確にはディスカッサントという役名だったから成立するものだと思う。ディスカッサントとしてこの5分間、場をどう回すかも評価範囲に含まれていた。評価は各学生が授業後に誰が良かったかをアンケートに記載し、それが考慮されたようだった。今回数名の方から私の名前を挙げていただいて、1番ではないが結構良い評価になった。ただし、アンケートで誰が良かったかを書く際、他の人の発表内容や発表時間も同じくらい良かったので、相当悩んだ。先生も同じように考えているだろうから、名前が挙がらなかった学生も、悪い評価にはなっていないと思う。2番目に良かった人も挙げる方式にすればもっと詳細な判定ができたような気がする。

 

 他の授業は中間試験みたいなものは無かったので、最後の記事で書こうと思う。各授業あと数回で大学院生活が終わるのでより気合を入れて取り組み、楽しむつもりだ。

2年前期成績発表

 会計士試験非受験生は大方、就活を終えた頃だろう。就職先等についてはこのブログの方針でもお伝えしたように書かないこととする。数日前に会計士論文式試験や当大学院入試があったようで、受験生の方々にはお疲れ様と言いたい。大体○割取れたら合格できるよとアドバイスしたいが、私は入試の成績開示を行っていないためどれほど取れたのかは正確に分からない。というかその制度があるのかも分からない。覚えていたら、今度登校したときに事務に聞いてみようと思う。

 

 では、前期の成績を書く。私は今期に5科目を受講した。そのうち、秀は1科目、優は3科目、良は1科目であった。今期は私事で少し忙しかったこともあり、この成績よりも悪いと予想していたので満足している。今回は具体的に各科目ごとにダイジェストも兼ねて見ていこう。

 

・財務諸表論Ⅲ(優)。これは、資産負債アプローチ、時価会計、国際会計等について、班別に発表してこれらテーマの中から自分の好きなテーマを選び(自分が発表したテーマでも良い)、レポートとして内容を詳しく書く。そのレポートだけが評価対象となる。私は知識に乏しかったので、ある論文に沿う形でレポートを書いた。後から考えると、論理に粗があったような気がしたが、細かいところは見られていないのか、良い成績を戴いた。私は5頁記述したが、本レポートは詳しく説明することに主眼を置いているため、最も良い成績を貰うためには、上記テーマを複数にわたって跨るか、枚数として10頁程度書くと達成するのかもしれない。

 

・監査基準論(優)。2回目のレポート発表は、自分で調べてきた企業のKAMの内容と、1つ付け加えるとしたら何を書くかというもの。これを3分で発表しなければならなかった。普段の授業では監基報を発表する時に制限時間を超過しても何も言われないが、レポート発表日は受講者全員が発表するため、超過が連続すると次の授業に迷惑がかかることから、時間管理は厳格に行われた。私は3分の時間内に収めることはできたものの、課題の2つ目を「追加のKAMを記載しろ」と読むべきところを、「追加のKAMの内容を説明しろ」と読み違えてしまったため、減点となってしまった。しかし、普段の授業内での発言加点と、中間レポート発表の点数を加味した結果、優を戴いた。私は上述の理由で良だと思っていたのでうれしい。

 

税務会計論Ⅲ(良)。所得税の授業であり、試験は税法能力検定3級→2級→旧1級レベルの3回行われる。途中で、院生や他大学の先生の研究発表とそれに関する感想レポートの提出も要求される。受講者の負担は重くない。私は単位は出ているであろうが、3級レベルの試験回から既に危なかったので成績は良か可くらいだと思っていた。良い方を付けられたので満足である。

 

税務会計論Ⅳ(秀)。本授業は、国税不服審判所の裁決例を発表して、少し議論するというもの。裁決結果を読み込むときに結構な労力を要するが、それ以外はディスカッションなので、全体として見ると負担の軽い授業であり、先生が変わらない限り勉強で忙しい会計士受験生にもおすすめの科目である。成績もご覧の通りディスカッション中心の授業であるため、試験中心の授業よりも高く出る傾向にあり、成績を重視する人にとってもおすすめである。裁決例を発表する回数は受講生の数に左右されるが、今回は5名いたので2回発表する人と3回発表する人に分かれた。その点において、監査基準論と同じか少し軽い程度の負担感であった。

 

・企業法Ⅲ(優)。本授業は金融商品取引法の授業であったが、中間レポートがサステナビリティ開示、期末レポートが金商法の開示規制違反、と評価範囲は授業内容の一部であったため、授業全部を理解する必要は無かった。もし、授業範囲全てを試験する評価方法であれば、もっと成績は低かったと思えるくらい授業内容は難しかった。レポートは、財務諸表論Ⅲと正反対の方向性で、参考文献も含めて2枚以内にまとめろというものであった。これはこれで難しかったが、負担の度合いとしてはやはり軽いものであった。税務会計論Ⅳや会計基準論と同様に本授業も実務家教員なので、任期が切れない限りこの形態が変わらないと思うため、その限りにおいてはおすすめの授業である。

前期中間ダイジェスト

 財務諸表論3:後半はグループ発表で進めていく。ほぼシラバス通り「資産負債アプローチ」「収益費用アプローチ」「時価」「国際化」「保守主義」から自分の得意な分野を2つ選ぶ形式となった。私はこのテーマそのものを説明するように試みたが、先生が期待していたのはそのテーマが実際の会計にどのように表れているかというもので、若干ずれてしまった。

 

 企業法3:金融商品取引法の講義で中間レポートが出された。課題は好きな企業を選んで現在流行りのサステナビリティ情報開示に関して評価せよというもの。指定枚数は2枚以下。私好みのコンパクトな課題だったが、だらだら書いていたら3枚目に突入して、逆に2枚以下に収めるのに苦労した。

 

 監査基準論:この前書いた不正事例対応のレポート発表があった。それは実現不可能だろうという回答もあったが、総じてレベルの高いものだった。特にとある1年生の資料や発表が飛びぬけて良かった記憶がある。というか他の授業でも見ていると、1年生自体がレベルの高い人たちばかりのような気がする。